ギャンブル依存症って何なのか?

 ギャンブル依存症とは、パチンコやパチスロ、競馬などを始めとするギャンブル(賭け事)にのめり込み、ギャンブラー本人や家族の生活をおびやかすほどのギャンブルを繰り返してしまう精神疾患です。

 ギャンブル依存症になると、これまで自分がおこなってきたギャンブルや、ギャンブルをするためのお金を工面する方法、ギャンブルをする計画など、ギャンブルのことを考える時間が増えるようになります。また、ギャンブルのことを一番に考えるあまり、家族や友人、仕事などに費やしてきた時間が少なくなっていきます。ギャンブルをやめようとすると、いらいらしたり、落ち着かなくなったりすることもあります。家族や友人にお金を借りたり、嘘をつくようになったり、周囲の人との関係が崩れてくることもあります。

 ギャンブル依存症の人々は、「意志が弱いだけだ」、「気持ちの問題である」などといわれますが、それは間違っている可能性もあります。ある研究では、ギャンブル依存症の人と同じように、これまでに一度もギャンブルをしたことがない人でさえ、一度ギャンブルを始めると、そのギャンブルをやめることが困難であることを示している研究もあります。つまり、「意志が問題である」のではなく、ギャンブルの性質そのものが、人々をはまらせる力を持っているのです。例えば、パチンコやパチスロで、はずれが続いているなかで、突然熱い演出になり、周りの人にはあくまでも平然を装っているように見せながらも、心臓はドキドキ、頭の中では「こい!こい!これは、当たらないかん!」と叫び、興奮が最高潮に高まったものの、はずれてしまうことは良くあることだと思います。これは、大当たりを引いていないにもかかわらず、脳の中では当たった時のように感じてしまうため、結果的にギャンブルをやめることが難しくなっていきます。

 確かに、ギャンブル依存症の人では、ギャンブルに対する強い欲求が生まれてくるため、その強い欲求をコントロールすることができずにギャンブルをしてしまうことがあります。

 しかし、これはギャンブル以外のことに対して、欲求が出てこなくなったことの裏返しです。ギャンブル依存症の人では、脳の機能的な変化によって、ギャンブル以外のことに楽しさや喜びを感じにくくなっています。それだけ、ギャンブルは人々を虜にしてしまう力を持っているのです。でも、心配はありません。ギャンブルをしていない日が続けば続くほど、ギャンブル以外に対する興味・関心は次第に大きくなっていきます。もちろん、ギャンブルをしないことは簡単なことではありませんが…。

 ギャンブル依存症の人の中には、治療をうけなくても回復する人はいますが、専門家の支援をうけることは、回復をより早め、ギャンブルを減らし、生活を立て直す可能性を高めてくれるでしょう。

 GRAPEでは、ギャンブル依存症の方々へ、カウンセリングという形でギャンブル行動を減らし、本来自分が送ろうとしてきた人生を取り戻すお手伝いをさせていただいております。